2010年8月20日金曜日

西穂~奥穂縦走

日 時】2010年8月20日(金)~22日(日)
【山 域】北ア
【天 候】晴れ
【メンバー】単独
【コース】
 8/20(金)自宅17:30=20:30ひるがのSA 仮眠
 8/21(土)ひるがのSA3:00=4:30あかんだな駐車場4:50=濃飛バス=5:20上高地
      上高地5:25-6:12明神6:22-7:20徳沢7:25-8:23横尾8:30-
      9:27本谷橋9:30-11:22涸沢小屋11:28-ザイテングラード-14:05
      穂高岳山荘 (泊) 
 8/22(日)穂高岳山荘4:25-5:00奥穂高岳(ご来光を見ながらアンパンを食べる)
5:20-6:40ジャンダルム6:50-8:05天狗のコル8:15-
8:38天狗の頭-9:05間天のコル-9:27間ノ岳(朝食弁当)9:40-
      10:17赤石岳10:20-10:55西穂高岳11:10-11:50ピラミッドピーク
      -12:12西穂独標12:20-12:56西穂山荘(西穂ラーメンは言われるほど美味くない)13:10-13:56西穂高口駅+新穂高ロープウェイ+新穂高温泉14:55=濃飛バス=15:28平湯15:35=濃飛バス=15:40あかんだな駐車場16:00=渋滞=21:00自宅

 一般登山道の中でも妙義縦走と並び、難関コースといわれる奥穂~西穂間を歩いてきた。
 今回はテントを担ごうか最後まで迷ったが、小屋泊まり装備に岩場の通過を考えストックは無しとした。
 あかんだなPを4:50始発の夏ダイヤのバスは明日が最終日だ。久しぶりの上高地はすでに多くの登山者でにぎわっている。梓川に沿った平坦な道はいくつものキャンプ場を過ぎ、そそり立つ屏風岩に圧倒されながら行けば、本谷橋を渡って本格的な登りとなる。
 涸沢ヒュッテに花が咲くように立つカラフルなテント群を期待していたが、お盆過ぎの時期なのかちょっぴり期待はずれではあったが、それでも40張はあった。
 明日の本番に備えて体力を温存しながらボチボチと登れば、やっとこさ穂高岳山荘にたどり着いた。標高差1700mの登りに高山病の不安もあったが、なんとか大丈夫であった。
 畳一畳に二人ですといわれ、部屋を指定される。掛け布団は二人で1枚、さすがに毛布は一人一枚あてがわれたが、最終的には3分の2畳に一人ぐらいとなり、寝返りはできる広さになった。昨夜の寝不足もあって夕食前にひと寝入り、夕食後ゴロゴロしながら明け方近くに熟睡できたようだ。いびきで近所に迷惑をかけたのかもしれない。 

馬の背
 人の動く気配で目が覚める。午前4時少し前である。前夜にもらった朴葉寿司と事前に得た情報で水2Lをザックに入れて僕も出発だ。
 暗闇の中をヘッデンたよりに梯子をよじ登る。先行する人の10以上の明かりが光の道となってきれいだ。やがて奥穂高岳に着くと、東の空が赤く染まり雲の上から太陽が顔を出す。槍から薬師、笠、そして遠方には富士山まで見えた。そして目の前にはジャンダルム。やっとここまで来た。「さあ、西穂まで行くぞ!」感動的な気持ちの高ぶりを押さえて、事故の多い稜線を慎重に行こう。と決意した。
 初っ端からの馬の背をびびりながら下りると、ジャンダルムは目の前にそそり立っている。奥穂側から張り付いている人がいるが、僕は簡単な西穂側から登頂した。
ジャン
ジャンダルム奥穂側
 実に感動的な一瞬だった。満足感にひたりながら惜しみつつ下りた。天狗のコルから振り返ると奥穂高岳が尊大にそそり立っている。西穂側からくると実に驚異的に立ちはだかっているように感じるだろう。
 ここの鎖場で若い女の子が下りられずに渋滞中。スローペースの還暦近くのおじさんもへばり気味。あの人たちは大丈夫だったろうか。
 天狗の頭からのくだりは有名な逆層スラブで長い鎖。フリクションはあるので見たよりは簡単だが濡れているとかなり危険だと思った。
 行程の中では間ノ岳あたりが特に危険を感じた。とにかく浮石が多くバランスを崩さないように行かないと滑落、墜落はまぬがれない。
逆層スラブ
 特にルートを見逃してほんのわずかでもコースアウトしてしまうと、そこは浮石が幾重にも積み重なった岩くずの山であり、ホールドでも簡単に岩抜けしてしまうし、スタンスもガラガラと揺らいでいる。コースの踏み跡こそそれなりに安定して鎖もしっかり設置されてはいるが、数多くの遭難者の魂に引き寄せられるかのように簡単にコースアウトしてしまい、何回も冷や汗をかいた。
 それぞれの難所のポイントは技術的には鈴鹿御在所岳あたりの岩沢がこなせれば行けるコースだが、その難所がコース全体に持続的にある。さらに浮石への注意力も必要で、ルートファインディングに熟練し、バランスがよく、アップダウンの連続がこなせる体力の持ち主でないと寄せ付けない日本屈指の一般登山道であると痛感した。
 ただ、歩きとおした満足感は何にも代えがたく感動的である。次は逆方向から挑戦したい。

-------------------------------------------------------------------------------------------

 ちなみに、山ガールの出没度であるが西穂独標からうじゃうじゃであった。山がさらに明るく楽しくなってきた今日この頃だ。
 世間の山ガールたちよ!おじさんたちの胸をキュンキュンさせてくれたまえ。以前は山を降りると女性がきれいに見えた。今の君たちは山の中でも輝いている。
 なんせ年下の女性と山で出会うことなんて珍しかったのだから。
  もう絶対に汗臭くなるヤブはこがんぞ~~。