11/23は勤労感謝の日、仕事があるということは幸せなことである。
これは自営業者としての真骨頂である。
今年最後の連休は2日続けて知多半島をポタリング。昨日は武豊町の最高地点警固山と美浜町の一等三角点鍋山を訪れた。
今日も小春日和のいい日のようなので、さらに知多半島を南下して、美浜町の最高地点、老眼山111.0mと、南知多町の最高地点高峰山128.5mを目指すことにする。
自宅を10時に出発。近場はこれがいい。
しかも手作りのおにぎりをトレラン用のリュックに入れた。
まず、美浜少年自然の家という、愛知県の研修施設に向かう。この施設のハイキングコースに老眼山がある。
キャンプファイヤー場から続くハイキングコースを上がっていくと、老眼山への分岐に出合う。しかし老眼山とは、自分の最近の目の劣化をつかれた様でなんとも・・・。山名の由来など知りたいものだ。
木で土留めされた急こう配の階段を下ったところで、電チャリをデポ。あとは歩きできつい階段を一気に上がると山頂に着いた。
低山なのであっけない。
老眼山山頂
野間村二等三角点
気が付けば、老眼山はきれいな双子峰だった。
さて次は南知多町の最高地点であり、知多半島の最高地点、高峰山を目指す。
この山は知多半島の最高地点であるにも関わらず、前述の熱田労山監修の「愛知の100山」には載っていない。
実は高峰山はかつて「内海フォレストパーク(1982~2003)」として、バブル全盛期にはフィールドアスレチック、ディスクゴルフ(いずれも死語か)や芝生広場などのレジャー施設があり、アウトドア型のテーマパークとして名鉄が経営しており、海岸線の駐車場からロープウェイ(このロープウェイは日本一の斜度という歌い文句だった。)を使って一気に山頂公園にアクセスしていたのだ。
内海フォレストパークのHPの残骸
http://web.archive.org/web/20031007223832/http://www.gld.mmtr.or.jp/~forest/
ロープウェイの往復と入園料で1000円を払わないと到達できない、レジャー施設の一隅の山頂であったのだ。
前置きが長くなった。というのも今はどうなっているかというと、ジャ~~ン。
閉鎖というか、封鎖というか・・・・。
かつての従業員が利用していたであろう、内海東端からの山道から向かうと完璧に両サイドさえ20mほど手前から網で封鎖され、横入りも許さぬ!といった構造物が設置してある。
前地権者の名鉄といい、南知多町といい、なんともやるせないというか、知多半島の住人としてかつ、一登山者として腹立たしくも悲しくも思えてきてしまう。
これも開発、営利、というどうしようもない事実を突き付けられたようだ。
施錠されたゲートには無断侵入者には罰金10万円いただきます。とのお触書まである。
内海フォレストパークが閉園して10年。ネット上にも昔の情報しかなく、廃墟になっているとかいろいろ言われているが、果たして今はこの奥がどうなっているのか。
いや奥はどうでもいいのだ。知多半島の最高地点の三角点が踏みたい。風光明媚な山頂に立ちたい。それだけなのだ。
この封鎖を突破する気にもならず、地形図を見る。
利屋から西村に伸びる破線が目についた。高峰山山頂から北東に400mほど離れている。
余談であるが、地形図に破線の残るのは南知多町と美浜町ぐらいで知多半島の破線はもうほとんどなくなってしまった。
とりあえず行ってみるかということで電チャリをUターンさせ下り坂を飛ばす。
人生下り坂サイコ~~である。
利屋(とぎや)からミカン畑のあるため池を過ぎると、一気に道が山道になり怪しくなってくる。いよいよ破線に突入した。それでも踏み跡はしっかりしているので、なんとか電チャリを強アシストにしてこいで行ける。道幅は人がかろうじてすれ違えるほどだ。
細い竹の伐採跡にタイヤを乗せないように慎重にこぐ。
気が付けば両脇の木々には樹名の表札がペンキのハンドメイドでほほえましく架かっている。
そして手作りの標札が・・・・。
矢印に導かれるように進むとツタで覆われたアスファルトの道に出た。
ツタが絡むのでチャリをデポ。さらに進むとブルドーザーで押し寄せられたと思われる、ぐちゃぐちゃになった巨木の塊が行く手を阻む。相当の量だ。
この木々の残骸をなんとか乗り越えて見える風景に愕然とする。
そこにあったのは高いフェンスで囲まれた広大なソーラー発電所だった。
人の侵入を拒絶した理由がこれだったのか。
フェンスを遠巻きに回り込んで、三角点を目指す。やぶ漕ぎである。
しかし、草ぼうぼうの三角点付近は必死で探したにもかかわらず。笹とツタの入り混じる場所で、よくある三角点を大事にしようという白い標柱と、昭和初期に建てられた「伊勢山頂上高峰」の石柱しか見つけられなかった。
GPSでは間違いなく踏んでいるのだが・・・・・。
昔の三角点の画像がネット上にあり確かめてみると、地面すれすれに頭だけ出した三角点であることがわかった。きっと地中に埋まってしまっているのかもしれない。
三角点探しに疲れて、ふと頭をあげると伊勢湾の風光明媚な景色が目に映った。
地権者の範囲はソーラーの部分だけかそれともこの三角点も含むのかわからない。
いずれにせよ知多半島の最高地点は一般人から手の届かないところに行ってしまったようだ。
もうここには来たくない。もう二度と来ないだろう。なぜかそんな思いが強くなった。
帰宅してから調べてみると、利屋から西村に抜ける破線は「内海、山海まちづくり協議会 きずなの会」という団体が「利屋、西村古道」として里山を守る活動の一環で何とか歩けるように整備を続けているそうだ。頭が下がる思いで、陰ながら応援させていただきたい。
高峰山128.5m、知多半島最高地点。低山ながら知多半島では高きが故にいわくのある残念な山。
南知多町の山としては、この高峰山ではなく、標高124.9mの大泊にある「富士ヶ峰」を紹介しているものが多い。
ここは僕は未踏だ。富士山が見えるらしい。知多半島の最高地点は脳内ではここにしておこうか。
いや、しかし、やっぱり・・・・・・。
複雑な思いで海岸線を漕いで帰路につけば、もう夕陽は鈴鹿山脈のはるか南に沈みつつあった。もうそんな季節になった。
詳細コースなどはこちら↓
美浜町、南知多町 最高地点 | Garmin Adventures
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