菰野町役場を超える頃には大粒の雨になってきた。
さあ、どのあたりから雪に変わるのだろう。そんなことを考えながら鈴鹿スカイラインに入ると、天気は小雪状態になった。
りゅうさんは駐車スペースを確保してくれている。ありがたいことだ。
お互い4WDとはいうものの、タイヤはノーマルで僕のなんかはツルツルだ。
支度をして、裏道から歩き出すと若いカップルが雪のついた七の渡しの橋で、ビビっている。
からかいながら、抜きつ抜かれつ藤内の入口へと着いた。汗びしょびしょである。
今日は冷え込むという予想から、アウターを厳冬期のものにした。これが暑い。
アプローチまでの衣服調整がむつかしい。いつもこんな感じなんだが、毎回汗びしょびしょになる。学習能力があまりない。
山は一ヶ月ぶりというりゅうさんの足取りは相変わらず早い。前回の前尾根の体調不良もあったので、遅れ気味にマイペースで行かせてもらった。
藤内入口で装備を身につける。
アイゼンはペツルのリンクスを装着している。アイスクライミング用の前歯縦爪変則15本歯だ。昨年、藤内沢で1回使って以来だ。少しでも道具に頼りたいと思う歳になったのかな。なんて最近は自分で自分を納得させることにしている。
2本の片方をバナナピックのにしなきゃ、と思っているうちにカジタのアイスハンマーは廃盤になってしまった。困ったことだ。
藤内滝をチラ見る |
通い慣れた藤内沢を横切ってプチラッセルで1ルンゼへ向かう。だんだん斜度が増してくる。
1ルンゼ左俣へ入るとこんな景色が見える。
1ルンゼ左俣で上部からペアが懸垂下降で降りてきた。YY沢の左岸を登ったのだろうか。横尾尾根へのアイゼントレーニングだそうだ。
まだ稜線上ではないので風は大したことはなかったのだが、懸垂下降のペアを待つこと10分弱。結構冷えた。結構、左にフラれていた。
さてここからが今回の本番。ガリガリゴリゴリと岩と雪と氷の世界だ。
凹部を右に取り、アイゼンの歯を効かせながら慎重に登る。氷があまりないので岩角にバイルを引っ掛けながら登る。
やがて大きなチョックストーンの真下、洞窟のような場所にたどり着いた。
ここからが核心部。通常はチョックストーンの内部をくぐり抜けるのだが、今回はりゅうさんのリードで難易度を上げて左から巻いた。
ビレイと登攀にド真剣で画像が残っていないのが残念であるがそれも致し方ない。
一歩目の上部への立ち上がりがビビる。足を滑らせたら100mぐらいは落ちるだろう。確保してもらっているので安心だが、それでもかなりビビる。
そのあとはクラックがあるのだが、むつかしい。左上を見ると残置シュリンゲにカラビナがぶら下がっている。右を見ればキャメロットのカムが突っ込んであった。
さすがに携行品の準備は万端である。
ありがたいことである。ダブルA0で体を持ち上げるが、 こんどは右側の滑り台状の巨岩に足が上がらない。
日頃のストレッチ不足がここにきて祟ってしまった。
なんとか膝を使ってよじ上がった。ここまでくれば核心部終了である。
後尾根にたどり着いてみれば、暴風雪の様相になっていて、体が飛ばされそうになる。
あとは中道合流部へ藪の中をラッセルである。
実に楽しく、充実した一日であった。 りゅうさんに大感謝である。
下山時は、バラエティーに富んだ人物の登場ばかりで、苦笑いと、爆笑の帰路となる。さすがが御在所だ。
①スニーカー軽装の兄ちゃんは、中道キレットを無事に越えられただろうか?
②地蔵岩でのエクストリームアイロン掛けの兄ちゃんはどこに画像をUPしているんだろう?
③サンタさん、トナカイさん御一行はその後のイベントはあったのかな?
やっぱり冬の藤内は素晴らしいのだ。
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